
皆さん芸術に触れていますか?我が家では先日、現在高松市美術館で行っている企画展「エドワード・ゴーリーを巡る旅」へ行ってきました。『大人の絵本作家』との異名をとるエドワード・ゴーリーですが、私はあまり存じ上げなかったので「どんなもんかな」と暇つぶし感覚で行ったのですが、これがとても良かったです。私みたいなズボラと違い既に行かれた方も多くいらっしゃるかと思いますが、何とこの企画展は6/8(日)つまり今週末まで!まだ行けていない方は、是非今週末行ってみて下さいね!
この記事の目次
芸術と私
私が生まれ育ったところは、東日本のある山間部。小学校の学区内に信号機が2台しかないような信じられないド田舎でした。もちろん芸術に触れる機会はあまりなく、「興味はあるんだけどな・・・」という状態で高校時代までを過ごしました。ところが大学進学で上京して一変。遅れてきた文明開化に芸術脳は歓喜の産声を上げ、美術館に映画館にライブハウスに舞台に楽団に演劇に寄席に歌舞伎にと、思いつくところは何振りかまわずバイクすっ飛ばして行きまくりました。あぁ楽しかった・・・。えっ?あっすみません何が言いたいかと言うと、
芸術には触れた方がいい
という事を言いたかっただけです。回りくどくてすみませんでした。対象は何でもいいと思うのですが、こういうのは人生を豊かにするのに必要な気がしています。初めは何に行くにも乗り気じゃなかった息子も、何だかんだ連れ回している内に芸術に触れることを楽しんでくれるようになった気がします。

香川県はもちろん地方都市ですが、私が現在居住している高松市は結構気軽に芸術に触れられる機会が多く、私はその点ですごく恵まれていると思っています。3年周期で巡ってくる瀬戸内国際芸術祭はもちろんの事、中心部にある高松市美術館やあなぶきホール等はアクセスも良く、結構利用しています。これからも頑張れ!香川県!!
エドワード・ゴーリーを巡る旅
今回は高松市美術館の企画展「エドワード・ゴーリーを巡る旅」です。もちろん展示館内は写真撮影禁止ですので、フォトスポットだけでもどうぞ。

「芸術を言葉で語るは愚の骨頂」だと分かってはいるのですが、「そんなん言ったらブログになりませんがな」という訳で、感想を少々。
絵本の原画なので基本的に小さな紙に描かれた作品が多いのだが、精緻で幾何学的な線描は1枚1枚手書きで書かれたとは思えない程の密度で描写されており、圧巻。さらっと流し見することを許さない。また、入ってすぐ『不幸な子供』の展示から始まるのだが、これは意図して配置されたのだろう、いきなりメガトンパンチを食らったかのような衝撃を受ける。私は最後まで原画を見て、昔映画館で観た『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を思い出した。救いをくれよ、救いを。しかし本来だったら「お涙頂戴」となるところ、重要なところも重要じゃない様にさらっと描写するだけで、後を汚さず「はいおしまい」と言わんばかりに終わる。『不幸な子供』に限らず、展覧会全編を通じてそのある種の不思議さが貫かれている点が面白い。
エドワード・ゴーリーは多くの架空のバケモノ(生き物)を描いており、そのどれもがコミカルで躍動感に溢れている。対照的に、同時に描かれている人間は皆陰気で無表情。バケモノの方が「人間以上に」人間らしく、人間の方が無慈悲なバケモノの様だ。「あなたたちはそんなものですよ」と言わんばかりの皮肉が見て取れる。そうなると、はたして私達は何をもって「バケモノ」と定義するのだろうか。そんな事を考えながら私は展示品を見て回った。あなたがどう感じるかは、是非展覧会に行って自分の目で見て欲しい。

完全に子供向けでは無い様に感じるが、むしろそのシニカルな対比がうけたのか、息子は展覧会出口のグッズ売り場にあった『うろんな客』をお買い上げ(もちろんお金は私が出しました)。今回も、最初は乗り気じゃなかった息子も最後には満足して帰路に着きました。皆様も是非行ってみて下さいね。しつこいようですが展覧会は今週末までです!

まとめ
- 芸術に触れよう!
- エドワード・ゴーリーは面白い!
- 頑張れ!香川県!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。