読書感想文!「DIE WITH ZERO」
DIE WITH ZERO

「新NISA貧乏」なるフレーズも聞こえるようになった昨今の貯蓄・投資ブームの日本において、異色なアプローチで話題となっている『DIE WITH ZERO』。今更ながら図書館で借りることが出来たので、つらつらと感想を綴ろうかと思う。

ちなみに新NISA貧乏とは・・・
ざっくり言うと、新NISAの投資資金を捻出するため、極端な倹約生活をして出費を切り詰めている方を言います。娯楽等にはほとんどお金を使わず、最低限の生活費のみで生活している様が、「まるで貧乏人と同じ」と言う理由です。
個人的には、未来への希望を抱けない日本の方にも問題があるような気がしますが・・・。まあ何事もやり過ぎると批判的な論調になるのは今も昔も変わりませんね。

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話題本を図書館でゲット

休館に入った高松市中央図書館では予約が200人以上あって半ば諦めていたが、新しく通い出した香川県社会福祉総合センター福祉ライブラリーでは、普通に本棚に置いてあった。ラッキー!

改めてお知らせするが、高松市中央図書館を利用していた方、近辺では番町にある香川県社会福祉総合センター福祉ライブラリーが便利ですよ!是非一度行ってみて下さい。

  • 名称:香川県社会福祉総合センター 福祉ライブラリー
  • 住所:高松市番町一丁目10番35号 社会福祉総合センター4F
  • 開館日時:平日10時~18時
  • 利用可能者:香川県内に居住、あるいは通学通勤している方
  • その他:詳しくはホームページをチェックしてみて下さいね

『DIE WITH ZERO』読書感想文

『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス:著 ダイヤモンド社

これ系の本、ダイヤモンド社多いな!

話題本だし、タイトルからも推測しやすいと思うがざっくり言うと「そんなにお金貯め過ぎるなよ、死ぬまでに使い切ろうぜ」と言うお話。「わかってはいるけど、でもさ・・」という、本書を読む前は誰もが言いそうなことを、一つ一つ丁寧に客観的なエビデンスを含めて解説している。読む前と後では、やはり少なからず物事の考え方が変わる。そんな1冊。

人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。

カバー内側、および265頁(あとがき最終頁)より引用

最初と最後が結論で終わっている本は好きです。かっこいい。この本で一貫して主張している点はまさにこれ。タイトルにあるが「人生を豊かにする為にはどうしたらいいか?」。著者のアンサー「思い出を作りなさい」。

本の中でこの主張が一切ぶれないので最後まで非常に読みやすい。あくまで主語は「(私の)人生が~」。なぜ著者がこの主語をしつこく主張しているかと言うと、現代人はいつの間にかこの主語が「お金が~」に変わっていることが多いから。これ分かってはいるけれど、改めて指摘されるまでやっぱり本質的には分かっていない。つまり「人生をどうこうするかの『手段』であるはずだったお金が、いつの間にか『目的』に変わっている」と言う事に。この本質的な勘違いを、本書では1つ1つ丁寧に解きほぐしていく。

全部紹介していたらキリがないし、感想文ではなくなってしまうため、私が取り入れたいなと思った考えを2つほど紹介します。

思い出にも福利効果が働く

最初にも綴ったように、著者は人生を豊かにするために「思い出」に投資することを説いている。しかも早ければ早いほどいい、と。なぜならば「思い出にも福利効果がある」から。斬新。なるほど福利が働くならば早い方がいい。指摘されると思い当たる節が私にもある。ある思い出を共有した友人や家族との思い出話は、何度繰り返しても幸せな気分にさせてくれる。また思い出は美化されがちなため、例えその時成功した思い出じゃなくても後になると勝手に笑えるものになっている(間抜けな失敗談や失恋話など)。物で得られる幸福は一瞬、思い出で得られる幸福は一生。お金はじゃんじゃん思い出に代えましょう。

福利効果とは・・・
アインシュタイン曰く「人類最大の発明は福利」と言ったとか言わなかったとか。投資や預貯金などで得た利益を元本に加算し、その合計に対してさらに利息がつく仕組みのことです。これにより、利益が利益を生み、雪だるま式に資産が増える効果があります。一般的には金融や株式投資でよく用いられる言葉ですが、思い出に当てはめている点が面白いですね!

より多くそして有意義な「思い出を作る」為、著者は「時間」と「健康」の重要性も説いている。巨万の富を得ても、その富を使用する時にあなたが老いていて適切な年齢じゃなかったら意味がない(あるいは効果が薄れてしまう)。貧乏旅行(やバックパック)は若い時に行く方が、得られるものが大きい。あなたが「お金」を優先して後回しにした事は、いざしようとした時にはその効果を最大限発揮できなくなっているのだ。

金ではなく、健康と時間を重視すること。それが人生の満足度を上げるコツなのである。

175頁より引用

死を意識する

これははっとしたなぁ。言われたら「なるほど」という感じ。よく見たら本書の最初の文字も『DIE』だし、むしろ著者はとにかくこれを一番伝えたかったんじゃないのかなぁ。『あなたは死ぬんだよ』と。伝わると勝手に行動変わるしね。

人は死が迫っていないと、合理的な判断ができない。だから、今を最大限に楽しむことを我慢してまで、遠い未来のために必要以上の貯金をするようになる。

だが、誰もが死と老化を避けられないことは紛れもない事実だ。

だから、人生の残り時間を意識しよう。それが現在の行動に大きな影響を与えるはずだ。

108-109頁より引用

余命宣告された人は、残された人生を精一杯生きるため、やりたかったことを突然やりだす。そしてその時には、やりたかったことをやりきる「お金」はあったとしても、「時間」と「健康」がない。これは余命が短いか長いかの違いでしかなくて、実は今の私達も同じ状況なのだ。私達もいつかは死ぬ。だが「いつか」として目を瞑っているから行動を起こせない。私は(かなり高い可能性で)120歳まで生きないだろうし、60歳で死ぬこともないだろう。いつ死ぬかはもちろん正確には分からないが、平均寿命等からざっくりした時期は推測できる。ならばその「死」を意識して、今から逆算してやりたいことをこなしていくことが重要なのだ。著者は5年や10年区切りで、やりたいことを実際書き出すことを勧めている(この際に「お金」の事は考慮しない)。私も近々やってみようかと思っている。

「死を意識しないと動かない」。これは正に私がここ2年、大きく変わったきっかけだった。詳しくは当ブログ最初の投稿に綴ったが、私は会社の同僚の自殺により目が覚めて行動を開始した。また、経営陣が一新した為、今現在進行形の問題でもある。当時、同僚ではなく私が死んでいてもおかしくなかったし、今から私が死ぬかもしれない。その脅迫的な危機感が私を突き動かしている。

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終わりに

私の目の前にはずっと連れ添ってきた家内と、年頃の息子がいる。もちろんすぐに死ぬわけではないですからそこはご安心下さい。。

「時間」「健康」「お金」のバランスを意識して「思い出」を作る。正に新NISA貧乏になりかけていた私には非常に有意義な1冊となりました。ここに取り上げたこと以外にも、人生を豊かにする有意義な方法が色々と綴られているので是非皆様も読んでみて下さいね。

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