「シンプルで合理的な人生設計 橘玲 著」読了

シンプルで合理的な人生設計

本と私

現在、私は週2~3冊読了を目安にして継続的に読書をしている。もともとの本好きが嵩じて大学も文学部に入ったくらいなので、子供の頃から読書は好きだった。しかし大学を卒業し社会人になってからは次第に本と疎遠になり、気付けばここ数年は年間数冊しか本を読まないような生活を送っていた。

が、色々あって私は突き動かされるように、また本を読むようになった。昔と違うのは読む本のジャンルだ。実学に中指を突き立て、空想の世界にダイブしながら小説を読み耽っていた私はもういない。成功者の伝記、自己啓発、お金、株式投資、ノンフィクション・・・。たまに小説に浮気しながらも、そういった本を読んで金融リテラシーを上げる努力をしている。ただ残念な事に私は頭が非常に緩く、読んだ内容をすぐに忘れてしまう。そこで恥ずかしながら備忘録として、本を読んだら可能な限りブログに記していこうと思っている。ここに書いた馬鹿者の拙い読書感想文が、いつか誰かの役に立ったら幸いである。

『シンプルで合理的な人生設計』の読書感想文

『シンプルで合理的な人生設計』橘玲 著 ダイヤモンド社

選択が少ないほど人生はゆたかになる  ー本書23ページより

現代は情報も物も何でも「溢れている」時代だが、長らく狩猟時代を生きてきた人類の脳はそのような急激な変化(進化のスピード)に対応できていない。人間の脳はマルチタスクできないのだ。それなのに全てに対応していると、限られたリソースを「選択するコスト」で消費し続けることになり、様々な問題を抱えることになる。これはマインドセットを変えたところで解決しない。つまりこの状況(選択コストを常に払い続けている状況)を変えるには、「選択をしない」人生設計をするのが合理的になる。

わたしたちが人生で使える資源は限られている。あることを選択すると、そのために資源を消費するから、別の選択をする資源が減ってしまう。だとすれば、もっとも効果的なのは、有限の資源をなにに投じるかを最初から決めておくことだろう。これが「選択しない」という選択だ。 ー本書312,313ページより

本書(あるいは著者)の中で一貫している姿勢は、客観的なエビデンスに基づいた見解のみを提示し、不合理的な人生設計をしないよう読者を導いてくれていることだ。このような自己啓発本においてよく見る、成功者の「私はこうしてます、だからあなたもこうすれば成功します」と言った主観に依った主張は一切ない。淡々と積み上げられる客観的なエビデンスと、それに基いた合理的で明快な選択は、心地よくもあるが同時に恐ろしくもある。なぜなら読者に逃げる余地を与えてくれないからだ。「じゃあそうするしかないよね」と、私は平伏して受け入れてしまった。

実は私はこの本を読むのは2回目となる。なぜ2回目となったのは理由が2つある。理由の1つ目は読みたかった同じ著者の最新本『親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの?』が「貸出中」だったからだ。恥ずかしながら私は読書のほとんどを図書館利用で賄っているため、なかなか最新本に触れることができない。理由の2つ目は、3か月ほど前に読んだばかりのこの本が、あまりに良かったからまた読みたくなったからだ。人それぞれ読書のスタイルはあるだろうが、私は比較的繰り返し読書が多い。いい本に出会うと何回も読み返したくなる。本書もそういった類の本なのだ。

余談だが私はこの本のおかげで、長年依存していた睡眠薬を断つことができた。本書はあなたの人生にも良い影響を与えてくれるかもしれない。

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