【読書】Audibleで聴いた本まとめ③『すみれ荘ファミリア』『神さまのビオトープ』『バリ山行』『人魚が逃げた』『ゲーテはすべてを言った』
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先日に引き続き、ここ最近Audibleで聴いた本のご紹介記事、第3弾です。

本選びの参考にして頂けると幸いです。やってみて分かったのですが、2か月は本を貯め過ぎな事が分かったので、今度はもっと頻繁にご紹介しようかと思います。

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『すみれ荘ファミリア』 凪良ゆう

『汝、星のごとく』の映画公開を控えている凪良ゆうさんの小説。凪良ゆうさんの作品は好きです。

母からすみれ荘の管理人を引き継いだ主人公(息子)のもとに、生き別れた弟が転がり込んでくることで物語が始まる。母も兄も、転がり込んできたのが弟であることを認識しており、もちろん弟も分かっているはずなのに名乗り出ることもなく、接触してきた真意が掴めない。お互い何とも言えない距離を保ちながら物語は進行していく。
最初はほのぼのとした展開ながらも終盤へ行くにつれて徐々にきな臭くなり、「愛ゆえに」といった「人ならでは」の恐ろしい側面が顔を覗かせるようになる。私はタイプ的にこうした「狂信的」といった人の愛し方は理解できないが、世のストーカー的なタイプの人はこういった思考に至るのかもしれないと思うと、やっぱり怖いなと思った。大人の拗(こじ)らせはダメ。

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『神さまのビオトープ』 凪良ゆう

夫の幽霊と暮らす女性(主人公)の物語。もちろん、幽霊の夫を視認できるのはその女性に限られる。「幽霊の夫と住んでるんです」等と言えば若くして未亡人になって頭がおかしくなったと思われるので、基本的には黙って日々を過ごしているのだが、それでもその事実を特定の人に打ち明けたりなんかしたりで物語は少しずつ動き出す。
夫が死んでしまった後から物語が始まるので、言ってしまえばこの物語に救いは無い。死者は生き返らない。未亡人視点でこの物語は語られるので、この幽霊はいることが前提になってはいるが、幽霊が本当にいるのか、それともやっぱり主人公の妄想の一部なのかは、読者に委ねられる。
人は誰しもが何かしらの秘密を抱えて生きている。それが「夫の幽霊と住んでいる」でも、別の何かでも構わない。幸せのあり様もその秘密同様、人それぞれなのだ。

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『バリ山行』 松永K三蔵

通称「バリ」と呼ばれる正規の登山道ではないバリエーションルートの登山を好む少し変わり者の年配同僚と、急速に変わりつつある会社の中で翻弄されるサラリーマン(主人公)を関連付けて描く本書。
会社の状況が悪くなるほど登山にのめり込む主人公と、会社の状況など関係なくバリ登山をし続ける同僚。私は本書を聴きながら、若い時に出会った中村さんの事を思い出していた。大学生の時、私は日雇いの夜勤バイトに明け暮れていたのだが、その派遣先の各現場でよく一緒になったのが中村さんという年配のおじさんだった。中村さんは海外留学経験もある頭のいい方で、数か国語を操ることができた。仕事も丁寧だった。けれど40代にして定職を持たず、日雇いの肉体労働をしていた。合わないのだ。日本の組織というものに。中村さんは妥協しない。空気など読まない。自分が正しいと思ったらその通りにするし、実際に中村さんの行動は「間違い」ではないのだが、「組織としての正解」ではなかった。だから中村さんは定職に就けなかった(長続きしなかった)し、就かなかった。
本書の最後、主人公は一人でバリ山行へ臨む。道なき道を進み、退職した元同僚を思う。その道のりは本当に険しいけれど、主人公は渇望するのだ。変わらずバリ山行を続けているであろう元同僚の姿を。
テーマ的にも人を選ぶ作品かと思うが、私は非常に興味深く拝聴した示唆に富んだ一冊。

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『人魚が逃げた』 青山美智子

あまり気の乗らなかったタイトルの本書。いつだったか図書館で平置きしてあったのを思い出し、何となく聴いたら大当たりだった。
銀座の街角インタビューに映った「王子」がこう呟いた事から物語は始まる。「僕の人魚が逃げてしまったんだ・・・」。本格的な王子コスプレ、悲壮感漂う表情。まるでおとぎ話の『人魚姫』そのものの王子の登場は、SNSで瞬く間に拡散され一躍時の人に。
その場に居合わせたそれぞれの人間模様にこの王子がうまく関わり、皆それぞれの新しい一歩を踏み出す。このそれぞれの人達のエピソードがどれも秀逸。特に私的には、就職するために間もなく日本を発つ娘と一緒に銀座にいた母親のエピソードに心打たれた。そう、私達中年にだってそれなりの青春があったのだよ。じーんときました。
物語最後の収束がお見事。「フィクションはこうじゃなくっちゃ」といった痛快さがあり、私は終わるのが惜しくなってしまった。現代社会にこういったおとぎ話をさらりと忍ばせることが出来る作家さんは凄いなぁ。

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『ゲーテはすべてを言った』 鈴木結生

率直に言うと、私にはあまり合わなかった作品。最後まで気持ちがノらずに終わってしまった。
主人公であるゲーテ研究者の教授は、ゲーテのものとされる「出典元の不明なある格言」に取りつかれる。捏造なのか、解釈の拡大なのか。その格言を追う中で、教授は出演したテレビ番組の中で思わずその格言を引用し「ゲーテのものである」と言ってしまう。出典元が不明なのに。本当にゲーテがそんなこと言ったかもわからないのに。そこから物語が急速に展開する!・・・というわけでもなく、結局大したことも起きずに物語は終わる。
「ゲーテはすべてを言った」。もちろんそんなことは無い(物理的に不可能)のだけれど、裏を返すと私のようなさして興味も無い者にとっては「ゲーテが何を言ってても構わない」というような気がした。まあある意味この作品はそういった意図を暗喩しているのではないかと、私は思った。大抵の人にとっては「聞いたことのあるそれっぽい(偉い)人が、それっぽいことを言っていた(とされていた)ら満足する」のだから。それが「本当にその人が言ったかどうか」なんてのは、恐らくほとんどの人が律儀に調べないし興味も無い。
私的には、作中出てくるもう一人の教授に心惹かれた。彼は実際には存在しない出典元を引用した論文を数年に渡り世に送り出し続けており、作中大問題を引き起こす。いや正確に言うと出典元はある。ただしその出典元までも彼自身で作り上げたものだったのだ。つまり全てが彼の創作という、主人公にとっての痛烈なアンチテーゼとして描かれている。
この作品は活字で読んだ方が断然面白さが伝わるんだろうなぁ。けれどちょっと描かれている舞台が上流社会過ぎて、私のような庶民には共感しづらかったんですよね。上流になりたい・・・って、意外とノってたみたいです。。

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まとめ

今回はこれにて終了です。いっぱい聴けるから皆様にもランニング(ウォーキング)&Audibleの組み合わせ、お勧めです!

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