
最近Audibleで聴いた本のまとめ記事です。通勤やウォーキング、ランニングの際是非ご参考にして下さい。
今までのAudibleお勧め本のご紹介記事はこちら。
『架空の犬と噓をつく猫』 寺地はるな
各々の「嘘」が絶妙なバランスで成り立つ、「ハネコ(羽猫)」家の数十年に及ぶ物語。最初聴き始めた時はあまり私にハマりそうな感じがしなかったので「失敗したかなぁ」と思ったが、最後まで聞くと「聴いてよかった」と思える作品。
たまに語り部が変わるのだが、物語の大半は息子(長男)の「ヤマブキ」視点で語られる。祖父、祖母、父、母、姉、ヤマブキ、事故で夭折した弟。私自身の事を話すと幼くして他界した弟はいなかったものの、それ以外の家族構成が全く同じ(拡大家族や田舎が舞台も同じ)だった為、そういった意味では共感できる部分も多かった。姉とかほぼ同じ感じ。。
ただ、私は最後までヤマブキに共感できなかった。きっとそれは、私はヤマブキの様に純粋な優しさも持ち合わせていないからだと思う。私はどちらかと言うと姉の選択した「現実的な優しさ」に共感したし、もっと言うならば「朴訥とした優しい青年」というのを信じない。むしろ私は田舎者ほどそういった幻想から遠い存在にいるとさえ思っている。醜いなぁ私は。
「あんたはこの世界で何の役にも立っていない。だからと言って、あんたがこの世界にいなくていいとはならない」(意訳)
祖母の言葉が染みる。世の中、無くてもいいものだらけだ。私のこんなブログ活動だって、この世界で何の役にも立っていない。けれど、私たちから「無くてもいいもの」を取り除いた世界は、きっと酷くつまらないんだろうなと思う。嘘も、優しさも、怒りも、拒絶も、ブローチも、当てつけも、逃避も、死も、仰々しい写真立ても、嫉妬も、不妊も、罪滅ぼしも、涙も、恋も、家族写真も、当たり前だけどどれ一つとして「無くてもいいもの」ではないのだ。
まあ人生、それなりに長く生きてるとほんと色々あるよね(遠い目)。どんな些細な出来事も、一見どうでもいいような思い出も、その全てが余すことなく今の私に繋がっていて、そしてそれは別に世界の役に立っているわけではないけれど、「それでいいじゃないか」とシンプルに思う。人生を肯定的に見つめ直すきっかけを与えてくれる良作。
『ミーツ・ザ・ワールド』 金原ひとみ
『マザーアウトロウ』に続いて拝聴した金原ひとみさんの小説。いや~前回に引き続きこれも面白かった。
主人公は、肉の部位が擬人化した架空のアニメ「ミート・イズ・マイン」をこよなく愛する腐女子「ユカリ」。人の目を惹く容姿がある訳でもなく、20代後半にして生涯一度の(3次元の)恋愛経験もなく、何ら変わり映えのしない銀行員勤めをしている。理解者だった父は昨年他界し、自身の理想を押し付ける母との息苦しい二人暮らし。
ユカリはほぼ数合わせとして参加した合コンでネタとして腐女子を暴露され自暴自棄になって飲み過ぎた挙句、新宿歌舞伎町の片隅でゲロを吐いて倒れていたところを歌舞伎町のキャバ嬢「ライ」に拾われる。そしてそこから、ユカリの人生は大きく動き出す。
金原ひとみさんらしい思わず笑ってしまうような描写も交えつつ、卑屈を拗らせすぎたユカリが少しずつ視野を広げ、新しい世界を獲得していく成長物語。「~であるべき」といった価値観は、ともすると唯一の正解に聞こえるかもしれないけれど、それは視点・立場を変えるとただの押し付けでしかない。味も触感も希少性も値段も違う肉の部位と同じく、人だってそれぞれ全然違う。これが正しいだとか、こうじゃなきゃダメだとか、そんな考えは歌舞伎町の住民たちには通じない。けれど、そんなものなんて無いからこそ、彼らはユカリを否定しない。全てを抱擁し、泣きじゃくるユカリに寄り添い、そっと優しく抱きしめる。
腐女子らしい過剰なほど長文な自分語りが脳内で再生されるけれど、それを飽きさせずに聴か(読ま)せる作家の技量は凄いとしか言いようがない。また、ユカリのその語りが、叫びが、徐々にポジティブなものへと変容していくと同時に、実際の行動もどんどんアクティブになっていく様は単純に聴いていて心地よかった。作中、彼女には大きな喪失が訪れる。きっと従来の彼女だったらその喪失を理解できずに嘆くだけだっただろうけれど、最終的に彼女はその喪失を受け入れ、喪失と共に生きていくことを誓う。そしてそれは、現実世界を生きている私達にも通じる生き方なのだと、強く思った。
「meats(肉種)」と「meets(出会う)」の掛詞もお見事。読了後、自分の生き方にも(少し)自信をもらえる傑作小説。
『オルカン思考』 代田秀雄
純資産総額日本一の投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を作った代田さんの著作。一(いち)インデックス投資家としては読んで(聴いて)おきたかった一冊。結論を先に綴ると、既にインデックス投資の知識をある程度お持ちの方からすると物足りなく感じるかもしれない。しかし、私は改めて「聴いて良かった」と思った。なぜならば
インデックス投資って、暇なんでね。
暇な事を分かった上で始める(続ける)事って、恐らく人生そうそう無いと思うんですよね。だって暇なんだから。やる前から分かってるんだから。実際つまらないんだから。そんなもんね、定期的に「けれど、これで合ってるんだよ!最適解なんだよ!」って言ってもらわなかったら続かないのよ。。つまり知識面で見ると「もう知ってます」といった事が多くあっても、心理的面から見ると本書はきちんと意味がある。「私は間違っていない」と強く自信を持てる。そしてそれは長期投資をする上で一番重要な事だと、私は思う。
本当ありがとうございます、代田さん。あなた(がた)が作り上げた「eMAXIS Slimシリーズ」が世に出たお陰で、日本でも信じられない低コスト(信託報酬面でも時間面でも)で、上質なインデックス投資が出来るようになりました。先駆者達が切り開いたこの道を、感謝しながらこれからも積み立て続けます!・・・まあ
我が家は(私のiDeCoと嫁の新NISA口座で)楽天プラスシリーズのオルカン積み立てちゃってるんですけどね。
それもまあeMAXIS Slimシリーズあっての事だとは思いますので、許してもらいましょうか・・・。ちなみにこれから新NISA口座で積み立てを始める方は、楽天オルカンではなくて「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」をお勧めします。数は力(ちから)。楽天オルカンの純資産総額も十分多い(2026年10月現在、約1兆648億円)のですが、eMAXIS Slimオルカンの純資産総額は桁違いです(2026年10月現在、約14兆2,633億円)。ちなみに、既に楽天オルカンで積み立てている方は乗り換えるほどでは無いとは思います。そんな些細な事を悩むより、とにかく重要な事は以下になります。
- 銘柄選択なんかで時間を浪費せず、とっとと始める(eMAXIS Slim 全世界株式だけでいい)。
- 何が起ころうともずっと買い続ける(暴落はいつか絶対に来るが積み立てを止めない)。
- 欲を出して変な事をしない(タイミングを見計らう、流行り銘柄に乗り換える等しない)。
これだけ。ほんとこれだけでほぼ勝つのよ。インフレ社会において「預金一択」は必然の負け。時が経てば経つほど、この毎年の僅かな負けの積み重ねが、取り返しのつかない差になる。
リスクを取ったからこそ、リターンがある。
この資本主義の真理は、この失われた30年で日本が世界中の国々の成長から取り残された事実とも重なると、私は思う。進むのか留まるのか。リスクを取るのか目を背けるのか。少しでも「進もう」と思った方は、是非本書を読んで知識を蓄えて欲しい。「無知」はいつの時代も搾取されるカモでしかないのだから。
まとめ
最近、ランニング測定してるアプリさんが、後で見返すと走った距離を大幅に縮めるイジメしてきます。。ガーミン欲しいなぁ。まあいっぱい本聴けるんでいいんですけどね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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