
最近Audibleで聴いた本のまとめ記事です。通勤やウォーキング、ランニングの際是非ご参考にして下さい。
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『何者』 朝井リョウ
最近よく拝聴している朝井リョウさんの、「就活生」というある意味超特殊な一時期を赤裸々に描いた小説。表向きは就活仲間として繋がりながらも、妬み・僻み・マウントのドロドロを、現代社会の必須アイテム・SNSを通じて炙り出している。ホラーじゃないけれど、小説全体を包んでいる雰囲気はどことなく暗くて怖い。
作中何度も登場し、この小説のタイトルにもなっている「何者」というのは、特に私も大学生だった時に印象強く残った言葉になる。私は大学時代、学生生活と並行してバイトに明け暮れる日々を過ごしていたが、そこで一緒に働いたフリーターの方にこんなことを言われたのだ。
「『学生』って名乗れるのはいいよ。俺は何者でもないんだから。」
就職氷河期にも関わらず就活を頑張らなかった私は、大学4年時の1月、まだ自身の4月以降の身分が決まっていなかった。最終的にスタートアップの医療機関に総務として潜り込むことになるが、様々な理由から疲弊し社会人1年目の冬、逃げるように退職した。次の就職先すら決めていなかった。
その後、次の職を得るまで私は半年程度「何者」でもなくなる。思い返すと生まれ落ちて20余年、無職になるまで私は常に「何者」かであった。肩書を名乗れない人生は、初めてだった。そしてその時になって初めて、以前バイト仲間のフリーターの方に言われた言葉が身に染みた。
「俺は何者でもない。」
小説内の学生たちも、間もなく何者でもなくなる自分を思いながら就活に臨んでいる。就活。そこは言わば椅子取りゲームで、味方だと思っている周りの仲間たちも同じ椅子を競うライバルだったりする。もちろんみんな同時に内定が出る訳もなく、やたら順調に進む者、全然うまく行かない者、第一志望じゃない会社から内定が出て妥協するか悩む者、妥協せざるを得ない者・・・。そういった就活生の悲喜交々や妬み嫉みを、第三者視点で俯瞰して眺めている「つもり」になっている就活浪人生。。
読み終わって私が感じた事を包み隠さず述べるのなら、「人はそんなもんで変わらないだろうな」という事。裏アカまで作って「何者」かで居続けながら、偉そうに外から高弁だけを垂れている奴ってのは、もう変わらんよ。。そういう奴とは距離を取ってほどほどに付き合う方が良い(あるいは付き合いを絶つのがベスト)と、年を重ねた私は思う。若い時は討論とかして、人の考えを聞いたり話したりすることが好きだったんですけどね。今や「他人の考えを変える」なんて莫大な労力のかかることは、仕事以外ではしたくないです。。仕事だと割り切って色々やったって、大抵の場合本質的には変わらない事が多いですし。無駄無駄無駄ァー!!
はい、ジョジョに逃げたのでおしまい。朝井さんらしく人間の仄暗いところを見事に切り取っているが、(友達がほとんどいない&就活をまともにしなかった)私的には、テーマ的にちょっとハマらなかった作品。まあけれどテーマとか関係なく面白いんだけれど。
『マザーアウトロウ』 金原ひとみ
「『蛇にピアス』で若いのに芥川賞をとった人」程度の知識しかない馬鹿(私)が何となく聴いた本書。いや~
むっちゃ面白いね。この本。
内容もいいし、何より本書はナレーターがはまり役。ただでさえ面白いのに、読み手によって面白さが何倍にも増幅させられほんと最高。終始ゲラゲラ笑いながら聴きました。アウトロウなマザーは、結婚した夫のマザーを指している。つまり主人公の義母。やたらと母に会わせたがらない夫と共に初めて会った義母は、まあほんとにアウトロウな人。全身金ぴかの格好で待ち合わせのカフェに現れる。いきなり飲みに連れまわす。それらの事柄を、どこか俯瞰した視点で淡々と描写する主人公視点の綴り方。金原ひとみという作家の才能(センス)が文面からはみ出している。
この作品のすごいところは、ただのアウトロウなマザーの破天荒物語に留まらず、現代を生きる女性の複雑な心情や価値観、倫理観、パワハラ、セクシャルな問題などが、面白さと共に随所に散りばめられている点だ。テーマ的に暗くなってもおかしくないのに、マザーがそれを許さない。圧倒的なパワー。戸惑いつつも、マブ(ダチ)になりそれに乗っかる主人公。ただただ振り回される哀れな夫。
結婚とは、子供とは、夫婦とは。マザーは圧倒的なパワーでそれら「重要なもの」を「そんなもの」へ変え、周りの人達を巻き込みつつ、自分の人生を謳歌している。実際に私自身がここまで突き抜ける事は難しいと思うけれど、主人公の様にそれに「乗っかれる人」になりたいなぁと、笑いながら思った。
やりすぎて義理の娘(主人公)が「お前いい加減にしろよ!」(意訳)と思わず言っちゃう下りは本当最高。素晴らしい作品でした。
『難しいことはわかりませんが、1億円貯める方法を教えてください!』 橘玲、大橋弘祐
以前Audibleで聴き感想を書いた『超改訂版 難しいことはわかりませんがお金の増やし方を教えて下さい』山崎元、大橋弘祐 共著の、橘玲さんバージョン。聞き手(無知役)の大橋さんも同じですしね。私は以前より幾度か触れているが、橘玲さんのファン。『シンプルで合理的な人生設計』や『親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの?』等、他にも著作をいくつも拝読している。従ってそれらを通読している者にとっては、本書で綴られていることに特に真新しい知見が綴られている訳ではないのだが、改めて自身がやるべきことを整理する事が出来て大変有意義。
「人生をHACKせよ。」
この人生をゲームだと例えたならば。ゲームをプレイする人は普段なら最適な攻略法を見出そうとするはずなのに、なぜか「人生」に関してはそうしない。日本に住む大抵の者は、実は(ほとんど)誰でも1億円を貯める事が出来る。合理的で効率的に「人生」というゲームを攻略するなら、HACK(制度上のバグを突く)すれば良いのだ。本書はこのHACK方法を、無知な読者に分かりやすく紹介してくれている。「1億円貯めるなんて無理」だと思っている方は、是非本書を読んで(聴いて)みて欲しい。その「無理」は誰が決めたのか。なぜあなたが1億円貯められないのか。では、どうやったら1億円貯められるのか。そのあたりが全てクリアになるはずだ。
最後に綴られた、橘さん・大橋さんそれぞれの社会人成りたてから今に至るまでの人生が大変興味深かった。誰もが最初から合理的に判断できたわけじゃない。遠回りしているし、芽が出ない期間だって長い。それでも、お二人とも継続し続ける事で、最終的に花咲いた。生存者バイアスかもしれないが、私も腐らず頑張ろうと改めて思った。少しでも多くの方に読んで(聴いて)頂きたい良書。
こちらも非常にお勧め
まとめ
金原ひとみさんの著作を多く聴いてみたいと思いました。センスが抜群すぎる。。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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